一九九九年の「ニューズウィーク」の記事によれば、店長たちが大学の社交クラブなどに出向いて、一週間に五時間程度しか働かなくていい、魅力的な「ブランドーレプリゼンタティブ(ブランドを代表する存在)」をリクルートするのだという。販売技術など要らない。自社製品をカッコよく着こなして楽しむことが仕事なのだから。アーバンーアウトフィツターズが雇うのは、ドレッドヘアや頬ピアス、腕のタトゥーなどが特徴のクールなダウンタウンーキッズ。従業員のルックスは標準化されているのだ。ヴィクトリアズJソークレットには厳しい社内のドレスーコードがあり、スタッフの服装は九五%まで黒でなければならないとされる。このランジエリー店の六ページにわたる規約には、「指輪は片手に二つまで」とか「爪は色も長さも自然に見える程度に」といったルールが盛り込まれている。顧客を一度釣り込めればよいが、再び来店させられたらなお素晴らしい。クーポンやコンテストがファストーフード店の集客に役立つように、アパレル店舗の場合も、お得なキャンペーンやプロモーションが顧客を繰り返し引き寄せる。GAPやオールドーネイビーでは、買い物をした時にその店のクレジットーカード(オールドーネイビーの場合、「ディヴァインーライム」「パワー・ショツパー・オレンジ」「トゥルー・ブルー」の三色から選べる)で支払えば、リベート、すなわちディスカウントークーポンが送られてくる。そんなありかたいものをちょうだいして、ファッションヴィクティムたるもの、再びその店に行かずにいられようか。