サクセスフルエイジング活動

2011.05.16

資生堂では平成元年から「サクセスフルエイジング(美しく年を重ねる)」を基本理念として事業活動に取り組んでいるが、化粧行動と心理的効果について数々の実証的データを蓄積している。たとえば、ビューティーサイエンス研究所では『化粧心理学』の中で首都圏在住の二〇〜五〇代の女性に「メーキャップするとどういう気持ちになりますか」と尋ねたところ、二〇代女性では積極化し、三〇代・四〇代女性では気分が高揚し、五〇代女性ではリラックスするという気持ちの変化が強く感じられたと報告しており、つまり、メーキャップが精神的高揚や鎮静作用に大きく関連していることがいえる。また、徳島県鳴門市にある山上病院では、老人病院の入院患者に化粧をすることで意識・行動面で様々な効用がみられたと報告している。このことについて病院の総婦長は「表情の変化については『化粧をしている間は生き生きとしている』など八九%の人に何らかの変化があった。また身だしなみ、身の回りの清潔では、化粧をすることによって鏡をみる機会が多くなるため、服を着替える、髪をとかす、白髪を染めたいなど自分の容姿への関心度合いが高まった人が三五%いた。『化粧をしてオムツはにあわんな』と声を掛けると二七%の人がオムツ外しに成功した。そして精神的に安定したとする人が二四%いる」と報告している。この病院では女性の患者だけではなく男性患者も一緒になって化粧をしており、唱歌の「めだかの学校」を歌いながら患者全員でマッサージをしている様子は何とも微笑ましい光景であった。若い看護婦、化粧品メーカーのビューティーコンサルタント、そして近隣の化粧品店の若い従業員の人たちにとってもこのお手入れ実習会は老人をいたわりやさしい心根を育んでいく上で、人間形成の視点からも貴重な体験であると感じた。このように、化粧行為が老人を生き生きとさせ、病院患者の生活行動まで変化させることが実証されており、サクセスフルエイジング活動は、社会貢献活動の視点からも重要な意義を持つということができる。
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