実際、卒業生数のランキング上位に入る教習所の多くは、東京、埼玉など、首都圏にある通学型の教習所です。「自動車教習所が東京にあったら、いまより何倍もゲストが集まっているはず」とよく冗談めかしていうほどで、田舎で教習所を営むことは、むしろデメリットのほうが多いのです。逆にいえば、東京なら、少子化であろうと、ゲストを集める方法はいくらでもあります。卒業生数ランキングを見ると、上位をキープしている教習所は、自動車やオートバイのメーカー、あるいはタクシー会社などの子会社が運営しているところが多いのが特徴です。それぞれ個性化を図っておられ、ゲストのニーズをうまく吸い上げて成功しているようです。なかにはスーパーの屋上に教習コースを設け、主婦などに好評を博している教習所もあります。アメリカにはインストラクターが自宅まで出向き、マンツーマンで教える教習所もあります。まったく同じようにはいかないでしょうが、たとえば都会のお金持ちを対象に、マンツーマンで教える代わりに、教習所の二倍ぐらいの料金をいただく。そんなやり方も考えられるのではないでしょうか。そのような逆風が吹き荒れるなか、地方の教習所も生き残りを懸けて必死です。私どもと同じように滞在型教習所に変わるところもたくさん出てきました。日本の人口が一億三千万人で、自動車教習所の数は千五百ですから、単純計算では八〜九万人の商圏に一つの教習所があることになります。ところが、現実には、首都圏や大阪圏でも、数十万人に一か所しか教習所がない地域も少なくありません。そうした地域からゲストにきていただければ、地方の教習所も経営は成り立つのです。大切なのは、ゲストにきていただく方法を考えることです。そのための知恵を絞ることが、これからの自動車教習所に求められているわけです。
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