デュアルシステムについて

2011.10.24

ドイツのごみ処理は、昔から埋立処分が主体であった。したがって、ドイツのごみの焼却施設は旧西ドイツに四〇余か所あるが、旧東ドイツにはほとんど見られない。一九九〇年、東西ドイツが統合した後にも、各都市ではごみの処理が問題であり、ごみの排出量を減らすことが急務となった。一九九一年六月に公布され、一九九三年から施行された『包装廃棄物回避のための政令』も、このような背景の下で制定された。この政令によって、ドイツ国内ではパレットなどの輸送用包装材、段ボールなどの二次包装材、缶・びん・紙袋・紙箱などの販売用包装材を排出することが規制され、製造者・販売者は責任を持ってこれらの包装ごみの回収をしなければならなくなった。さらに、使用済みの包装材の回収・再生利用を行う政府代行機関として、民間会社のDSD(デュアル・システム・ドイチュランド)が設立された。こうして、ドイツでは包装ごみの排出・回収・再生を行う一連のリサイクルシステム、いわゆるデュアルシステムが発足したのである。一九九四年九月、『廃棄物の回避、利用及び処理に関する法律』が公布された。この法律は政令の基本法であって、これらの法律の施行によって、ドイツ国内の包装廃棄物の排出量は激減したと言われている。日本では生活系のごみの約七六%を直接焼却し、約二一%を最終処分場に直接埋め立てているが、旧西ドイツでは逆に約三四%を焼却して、残る六六%を主として埋立処理と肥料化で処理してきた。したがって、ごみの埋立量を減らすには、資源ごみをリサイクルしてごみの排出量を減らす必要があったので、家庭や事業所の生活系のごみの容積の約五〇%を占めている包装材のリサイクルが義務付けられたのである。